誘導灯をLED化すると消防設備点検が楽になる?その理由と点検・交換に必要な資格を解説
火災などの災害時、避難経路を知らせる照明器具として「誘導灯」や「非常用照明器具」があります。
このうち誘導灯については消防法や建築基準法に基づき、維持管理を行う必要があります。
最近ではオフィスや建物全体で照明器具のLED化が進んでいますが、実は誘導灯をLED化すると消防点検作業が簡単になることをご存知でしょうか?
今回は、誘導灯をLED化すると消防設備点検が簡単になる理由をご紹介していきます。
LED化するメリットについて、是非参考にご覧ください。
目次
誘導灯の点検資格と点検期間
誘導灯は消防法により点検制度が定められており、点検を行うための資格と、定期的な点検期間が決められています。
誘導灯および誘導標識の点検を行うには、第4類の甲種または乙種の消防設備士、あるいは第7類の乙種消防設備士のうち、電気工事士または電気主任技術者の免状を有する者である必要があります。
また、点検は6ヶ月ごとに実施することが義務付けられており、非常用バッテリーの点灯時間(通常20分、長時間定格形で60分)を満たしているかどうかを確認する必要があります。これを下回る場合や、緑色の充電モニタが点滅している場合には、バッテリーの交換が必要になります。
下記の記事では、誘導灯の交換時期や耐用年数についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
誘導灯のLED化のメリットとは?交換時期の目安も解説
交換作業にも専門資格は必要?
誘導灯の交換には、交換対象によって必要な資格が異なります。ランプや蓄電池の交換は比較的容易に行える一方で、本体の交換には法的な資格が求められます。
以下で詳しく確認しておきましょう。
蓄電池・ランプの交換は無資格でも可能
誘導灯の蓄電池やランプの交換には、特別な資格は必要ありません。多くの機種は、器具のマニュアルに沿って、工具を使わずに簡単に交換できる設計になっています。
定期点検で不具合が見つかった際には、速やかに対応することが求められます。
誘導灯本体の交換には専門資格が必要
一方で、誘導灯本体を交換する場合は、電気工事士の資格が必須です。さらに、取り付け後の点検や消防署への着工届の提出などには、消防設備士(甲種4類)の資格保有者による対応が必要となります。そのため、誘導灯本体の交換は、必ず有資格者をもつ業者に依頼する必要があります。
従来型からLED誘導灯に交換すると消防点検が楽になります!
誘導灯をLED化すると、消防点検作業は簡単になります。
その理由を理解するために、まずは従来型とLED誘導灯の点検作業の違いについて説明します。
・従来型誘導灯の点検作業
誘導灯は非常時でも点灯している必要があります。
このため誘導灯の点検作業では誘導灯器具に備え付けられている「点検スイッチ」を引き、約20〜30分間点灯するかを器具ごとに確認しなければなりません。
比較的高所に取り付けられている誘導灯は、脚立を使用してこの作業を繰り返すため手間の掛かる作業となります。
・LED誘導灯の点検作業
一方のLED誘導灯では定められた時間で点灯するかを誘導灯自体が判定し、器具のモニターで状態を確認する事ができるようになりました。
また、リモコンや器具に据え付けされた自己点検スイッチを押すだけで自動点検が可能な機種も登場しています。脚立が必要な高所に器具が取り付けられている場合などは、点検作業が容易に行えます。
費用対効果から見るLED誘導灯の違い
自己点検機能付きのLED誘導灯は、消費電力が少ないため蓄電池の容量も少なく済みます。
C級(小型)・20分点灯片側タイプ
●蛍光灯・ハロゲン球
消費電力 15W
●LED電球
消費電力 2W
→約87%節電が可能に
B級・BL形(中型)・20分点灯片側タイプ
●蛍光灯・ハロゲン球
消費電力 23W
●LED電球
消費電力 2.7W
→約88%節電が可能に
また、消費電力が少ない分、蓄電池の費用を抑えることができます。
誘導灯の器具本体と交換用蓄電池の価格の違い
誘導灯の器具本体と交換用蓄電池の価格例は以下の通りです。
ランプが蛍光灯・ハロゲン球の場合
照明器具本体 37,100円
交換用蓄電池 15,200円
ランプがLEDの場合
照明器具本体 39,500円
交換用蓄電池 9,500円
器具本体はLEDの方が高価になりますが、蓄電池は容量が少なくて済む分安価になります。器具本体と交換用蓄電池をセットで考えると、LEDの方が安く済みます。
これは誘導灯1台当たりの費用になりますので、台数が多い場合はより費用を抑えることができます。
尚、価格差は誘導灯機種により異なりますので詳しくは電気工事専門の業者にご相談下さい。
配線処理の違い
従来の誘導灯ではランプ形状が蛍光灯よりも小型に製作でき、長寿命という理由から冷陰極管が使用されてきました。冷陰極管は、インバータ(電源回路)を用いて高電圧を発生させ、電極から電子が放出されることで発光します。商用で用いられる50~60Hzの交流電源では点灯しないため、専用のインバータが必要となります。LED誘導灯では高電圧を発生する電源部が不要になった分、内部の配線スペースが広く配線処理が行いやすくなっています。
非常灯にもLED照明が使用できます
非常灯を、経費削減のためLED化することも可能です。
元々、非常用照明に関する告示によって、用いる照明器具が「白熱灯」「蛍光灯」限られていましたが、2017年の建設省告示改正によって使用が可能となり、選択の幅が広がりました。
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また、電気工事士の資格を持つ専門知識豊富なスタッフが作業にあたりますので、安心して施工をご依頼頂けます。
誘導灯のLED化をご検討の際は是非お気軽にご相談下さい。
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まとめ
今回は、誘導灯をLED化すると消防設備点検が簡単になる理由をご紹介しました。
誘導灯、6ヶ月に1度の点検作業が義務付けられており、LED誘導灯に切り替えることで、点検作業の負担が大幅に削減できる事をご紹介しました。
また、LED誘導灯は消費電力が少ないため蓄電池の省電力化による交換コスト削減も期待できます。
耐用年数も圧倒的に長寿命なためランプ交換の作業負担が少ない事もご理解頂けたのではないでしょうか。
LED誘導灯の交換をご検討の際は、ミラノインテリアにお気軽にご相談下さい。